大坂なおみ | ブーイングの時にウィリアムズが耳元でささやいた言葉を明かす

テニス・全米オープンで優勝した大坂なおみ選手。アメリカの人気トーク番組「エレンの部屋」に出演(現地時間・9月12日放送)し、ブーイングが起きた決勝戦について語った。

セリーナ・ウィリアムズを相手に戦った決勝戦では、ウィリアムズが審判への暴言でペナリティーや罰金を科され、そのことに不満を持った観客が表彰式でブーイングする異例の事態になった。

大坂は試合に集中するために、試合中のウィリアムズと審判の激しいやり取りはあえて見ないようにしていたという。

しかし表彰式では、会場のブーイングにうつむいて涙をこらえる場面があった。

その時、ウィリアムズが大坂の肩を抱き寄せて何かささやいた。「あの時何て言われたの」と司会者のエレン・デジェネレスに聞かれた大坂は、ウィリアムズとのやり取りについて明かした。

「彼女は私に、あなたのことを誇りに思う、と言ってくれました。そして、ブーイングはあなたに向けられたものじゃないから、とも言ってくれた。すごく嬉しかったです」

「あの時は、私に向かってブーイングしているんだと思っていたんです。すごく音が大きくて、何が起きているのかわからなかったから。少ししんどかった」

人気司会者のエレン・デジェネレスを前に、「本物のあなたが目の前にいるなんて、すごく変な感じ」と少し緊張した様子も見せた大坂だが、一緒に自撮りするなど、出演を楽しんでいるようだった。

優勝金はどうするの?と聞かれると、「自分のものより、両親に何か買いたい」と答え、「正解を答えたね」とからかわれる場面もあった。

大阪市出身。日本人の母とハイチ出身の父(ハイチ系アメリカ人)の間に生まれ、3歳からアメリカに移り住む。やがて磨き上げた才能が開花し、ニューヨークの地で日本人選手として初のグランドスラム制覇を成し遂げた。9月8日、大坂なおみは女子テニス新世代の旗手となった。

表彰式はブーイングから始まった。対戦相手で元世界1位のセリーナ・ウィリアムズは出産後、初の優勝を狙った。試合も荒れていた。客席のコーチの動きがコーチング(指導)と取られ、試合中に警告を受けたセリーナ・ウィリアムズは、主審を「嘘つき」と激しく罵った。

ブーイングをやめよう、とセリーナは呼びかけた

ジャッジに不満を持っている観客、セリーナファンは大坂の優勝に納得せず、ブーイングを続けた。最初に「もうブーイングはやめよう」と言ったのはウィリアムズだった。インタビューで「やめよう」と呼びかけ、大坂を讃えた。

大坂は子供の頃からアイドルはセリーナである。インタビュアーから決勝でセリーナと対戦して優勝するという夢が叶ったのかと問われると、大坂は「質問と違うことを話したい」と切り出した。

「みんなが彼女を応援したことを知っています。こんな終わり方ですいません。試合を見てくれてありがとう。本当にありがとう」と涙をこぼしながら語った。ニューヨークの観客はブーイングをやめ、新しいチャンピオンに拍手を贈った。

「セリーナと全米決勝で対戦する夢が叶いました。プレーしてくれてありがとう」。インタビューをこう締めくくり、彼女はトロフィーを持ち上げた。

異例ずくめの初優勝だったが、それでも飾ることなく自分の言葉で観客にメッセージを伝えた。トロフィーを手にし、ようやく笑顔が戻った。

大坂はまだ20歳。この先、何度トロフィーを手にすることができるのか。大坂時代の幕開けを告げる優勝になったことは間違いない。