【18-091】累 −かさね− ★★★★☆

一見すると、口裂け女のホラーと思えてしまう累 −かさね−を鑑賞。

伝説の女優の娘・淵累(芳根)は卓越した演技力を持ちながら、自分の醜い外見にコンプレックスを抱いて生きてきた。
彼女の母親は、キスした相手と顔を取り替えることが可能な謎めいた口紅を娘にのこす。
一方、舞台女優の丹沢ニナ(土屋)は、容姿に恵まれながら芽が出ずにいた。
やがて二人は出会い反発し合いながらも、互いの短所を補うために口紅の力を使うことにする。


ズバリ、変則的な「1人2役」+「2人1役」ですよ。
天性の天才的な演技力を持つものの、顔に醜い傷を持つ女と、美貌を持ちながら演技力は大根と言う女が「効き目12時間」で顔を入れ替えられる口紅を使って「美人+演技力抜群」の女として上りつめていく話です。
まあ、巷では「本来、醜女であるはずの芳根京子が可愛すぎる」という指摘もあるようだけど、まあそこはね・・・本当のブスじゃあ色々と集客上の大人の事情とかあるからね。
「顔の傷」+「何か根暗な性格」+「当然異性との付き合いも無い処女」という設定という事で十分受け入れられました。

で、やっぱり見所は「1人2役」「2人1役」ですよ。
顔が入れ替わるって事は、要するに「転校生」的な「体が入れ替わる」というフィクション設定と同じですが、それによって「根暗な累」と「美人だけど社交的なニナ」を都度演じ分けないといけないといけません。
これが想像以上に違和感が無く、2人とも見事に演じ分けられていたと評価します。

その後も、結局は「人の顔を借りて名声を得ても、それはやっぱり自分じゃない」という所が悲劇な累と、「自分が有名になっていく。でも本当の自分はここにいる」という所が焦りにつながるニナの感情が高まっていき、最後は・・・って事で、自分が思い描いていた筋書き通りに話が進んでいきます。
「やっぱりそういうオチ」(ズバリ言っちゃうと、大勢の観客の前で口紅による顔交換の効果が時間切れで無くなってしまい、舞台上のニナの顔が累の醜い顔に変わってしまう)と思っていましたが、実際は更にそこから1段2段と乗せてきました。
これはこれで面白かったですよ。

そのクライマックスは、舞台「サロメ」のシーン。
この「サロメ」自体は、映画本編の内容とリンクする所もあって興味深い上に、土屋太鳳のダンスが圧巻ではあったのだが、その太鳳ダンスが必要以上に尺を取っているようで、ちょっとしつこかったかな。
劇中劇は良かっただけにちょっと残念です。
そういった「ちょっと残念」は他にもあって・・・
・途中から急に出てこなくなる横山裕の存在意義が無さすぎる
・そもそも累の母があの口紅を持ってる理由など、一切不明すぎて謎
・2転3転のクライマックスは、面白くはあったけど、色々と回りくどい
・あんな高所から落ちても大した怪我無く芝居を続けた累(顔はニナ)が不死身すぎる

と言った感じで、1つ1つは本当に僅かな違和感でしかないんだけど、積み重なるとちょっと拭いきれなくなるという事で採点も減点となってしまいました。
Aimerの主題歌が本編イメージにも合ってて記憶に残る所とか、プラス要素もあったんですけどね。

はい。色々と小さな不満は書きましたが、土屋太鳳と芳根京子の演技合戦は見応えがあります。
個人的には、この2人の壮絶な芝居だけで入場料分はペイできたと考えていますので、興味があったらぜひどうぞ。

◆パンフレット:720円

累

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