第70回エミー賞予想~現地メディアはどう見る?【ドラマ・シリーズ部門編】 – 海外ドラマNAVI編集部 アメリカ支局なう!!

アメリカドラマ界にとって年に一度の祭典、第70回エミー賞授賞式が9月17日(月)に行われる(現地時間)。各カテゴリーで魅力的な作品や俳優などが候補に挙がる中、ドラマ・シリーズ、コメディ・シリーズ、そしてリミテッド・シリーズ/TVムービー部門の主要部門について、現地メディアの予想をまとめ、受賞の行方を様々な視点から追ってみよう。第1回目の本日は混戦が予想される【ドラマ・シリーズ部門】からご紹介。

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■作品賞

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『ハンドメイズ・テイル/侍女の物語』...本命
『ゲーム・オブ・スローンズ』...対抗
『THIS IS US』
『ザ・クラウン』
『ジ・アメリカンズ』...大穴
『ストレンジャー・シングス 未知の世界』
『ウエストワールド』

どの作品が選ばれてもおかしくない混戦模様だが、昨年の覇者『ハンドメイズ・テイル』がやや優勢の様子。シーズン2はファイナルで多少の批判が見受けられたものの、シーズンを通して大絶賛を受けた。また、同じ働きをしても男性より女性の賃金が格段に低いこと、昨年から告発が続いているセクハラ問題などが訴えられている現在において、『ハンドメイズ・テイル』が最もこれらの問題に深く関わっていることも有力候補となる理由の一つのようだ。

どのメディアも対抗馬として名を上げるのが2年ぶりにノミネートされた『ゲーム・オブ・スローンズ』。同作が王座に就くことを期待する声も大きいが、シーズン7の放送が終わったのは昨年の8月であり、1年以上放送がないことが懸念の材料となっている。また、今年5月にシリーズファイナルを迎えた『ジ・アメリカンズ』が有終の美を飾ることを望む声もある。

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■主演男優賞

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ジェイソン・ベイトマン『オザークへようこそ』
スターリング・K・ブラウン『THIS IS US』...本命
エド・ハリス『ウエストワールド』
マシュー・リス『ジ・アメリカンズ』...対抗
マイロ・ヴィンティミリア『THIS IS US』
ジェフリー・ライト『ウエストワールド』...大穴

主演男優賞は、昨年のWinnerであるスターリング・K・ブラウンとマシュー・リスの一騎打ち。米Gold Derbyの専門家&編集者投票ではマシューが優勢だが、ユーザー投票においてはスターリングが圧勝。また、米Deadlineと米Indie Wireはマシュー、米Hollywood Reporterと米Digital Trendsはスターリングと予想するなど、拮抗している。

ディフェンディングチャンピオンのスターリングは、シーズン2でも高評価を得ており、彼が受賞しても何ら不思議ではない。しかし、エミー賞はファイナルを迎えたシリーズに華を添えてくれることがしばしばあり、これまで一度もエミー賞を受賞していないマシューが選ばれる可能性も高いとのこと。どちらに軍配が上がるかは神のみぞ知るところ。

■主演女優賞

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クレア・フォイ『ザ・クラウン』
タチアナ・マズラニー『オーファン・ブラック 暴走遺伝子』
エリザベス・モス『ハンドメイズ・テイル/侍女の物語』...本命
サンドラ・オー『Killing Eve(原題)』...対抗
ケリー・ラッセル『ジ・アメリカンズ』...大穴
エヴァン・レイチェル・ウッド『ウエストワールド』

ほとんどのメディアが有力候補と呼んでいるのが昨年のクイーン、エリザベス・モス。シーズン2ではより感情的に豊かで素晴らしい演技を見せており、今年も最有力候補と言われている。

エリザベスを推す声が圧倒的に多い中、その陰ではサンドラ・オーにも注目が集まっている。もしサンドラが受賞できれば、アジア系の女性としては初めてエミー賞のトロフィーを手にすることになるのだ。男優賞候補のマシュー同様、一度も受賞した経験がないケリー・ラッセルに天が味方する可能性も捨てきれない。また、『ザ・クラウン』で2シーズンにわたり若き英国女王を演じてきたクレア・フォイも、新シーズンからオリヴィア・コールマンにその役を引き渡し、彼女の役目を終えるため、受賞を望む声がある。

現段階ではエリザベスがフロントランナーであるが、サンドラ、ケリー、クレアの名前が呼ばれても驚きはなさそうだ。

■助演男優賞

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ニコライ・コスター=ワルドー『ゲーム・オブ・スローンズ』...大穴
ピーター・ディンクレイジ『ゲーム・オブ・スローンズ』...対抗
ジョセフ・ファインズ『ハンドメイズ・テイル/侍女の物語』
デヴィッド・ハーバー『ストレンジャー・シングス 未知の世界』...本命
マンディ・パティンキン『HOMELAND』
マット・スミス『ザ・クラウン』

巧みな演技が光る俳優たちが名を連ねるドラマ部門助演男優賞。今年の本命は、子役たちが活躍する『ストレンジャー・シングス』の中で、抜群の安定感で力強い演技を見せているデヴィッド・ハーバー。彼は昨年もノミネートされていたが、スポットライトを浴びたのはジョン・リスゴー(『ザ・クラウン』)だった。しかし、今年は批評家たちが一様にデヴィッドを推しており、Gold Derbyの投票ランキングでは16人/24人中の専門家が彼に投票している。今年1月に発表されたTV放送記者協会(BTJA)のメンバーによって選出されるクリティクス・チョイス・アワードでは、ドラマ部門助演男優賞を受賞した。

昨年の勝者がいない助演男優賞だが、ピーター・ディンクレイジが2年ぶりに帰ってきている。彼は先述の投票ランキングで次点(4票)。デヴィッドの勢いにやや圧されているものの、『ゲーム・オブ・スローンズ』唯一の演技賞受賞者(2011年&2015年の助演男優賞)である彼にかかる期待は大きい。他方で、Deadlineがピーターの共演者であるニコライ・コスター=ワルドーの名前を挙げている。

デヴィッドの初受賞か、来年最終章が放送される『ゲーム・オブ・スローンズ』の演者が栄冠を手にするか、注目が集まる。

■助演女優賞

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アレクシス・ブレデル『ハンドメイズ・テイル/侍女の物語』
ミリー・ボビー・ブラウン『ストレンジャー・シングス 未知の世界』
アン・ダウド『ハンドメイズ・テイル/侍女の物語』...本命
レナ・ヘディ『ゲーム・オブ・スローンズ』
ヴァネッサ・カービー『ザ・クラウン』
タンディ・ニュートン『ウエストワールド』...大穴
イヴォンヌ・ストラホフスキー『ハンドメイズ・テイル/侍女の物語』...対抗

早くも、来年のエミー賞でも同じ名前が揃うことが予想されているドラマ部門助演女優賞。作品賞、主演女優賞でもトップを走る『ハンドメイズ・テイル』から、このカテゴリーには3人の女優がノミネートされている。その中で、より強く支持されているのは昨年の受賞者であるアン・ダウド。アンの記憶に残る迫真の演技は賞賛に値するものであり、彼女の長年積み重ねてきた偉業の数々は批評家たちから非常に高い評価を受けている。

もちろん、アンの共演者であるイヴォンヌ・ストラホフスキーやアレクシス・ブレデルへの注目も大きい。Gold Derbyのランキングではアンに次いでイヴォンヌに票が集まっており、アレクシスは昨年のクリエイティブアーツ・エミー賞でゲスト女優賞に輝いている。それゆえ、3者がそれぞれ評価されることで票が割れてしまい、結果的にトロフィーを手にするのは『ウエストワールド』で娼館のマダム、メイヴを熱演しているタンディ・ニュートンになることも予想される。このカテゴリーで連覇をすることは難しいと言われているが、アンなら成し遂げてくれるかもしれない。

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栄冠を手にするのはどの作品、誰だろうか? 明日は現地メディア予想【コメディ・シリーズ部門編】をご紹介。授賞式は9月17日(月)にロサンゼルスのマイクロソフトシアターにて開催され、日本では FOXチャンネルにて9月18日(火)午前9:00より独占生中継する。海外ドラマNAVIでも速報をお届けするのでお楽しみに!

*今回参考にした米メディアは以下の通り。
(Cheat Sheet, Harper's BAZAAR, Deadline, The Hollywood Reporter, IndieWire, Variety, Gold Derby, Rush Hour Daily, Awards Watch, Digital Trends)

Photo:
『ゲーム・オブ・スローンズ』
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エミー賞
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『ハンドメイズ・テイル』シーズン2
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『THIS IS US 36歳、これから』
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デヴィッド・ハーバー
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