北朝鮮 | 会談中止を示唆

米韓両軍の定例共同訓練などを非難し米朝首脳会談取りやめも示唆した北朝鮮の発表に、米韓両国は当惑している。虚を突かれた形のトランプ米政権は、国家安全保障会議(NSC)や国防総省の担当者会合を招集するなど真意の確認を急いでいる。同時に米朝首脳会談に向けた準備は継続する構えだ。

 ホワイトハウスは15日、サンダース報道官が声明を発表。「北朝鮮の表明を独自に分析し、同盟国と緊密に連携を取る」と述べた。国務省のナウアート報道官は記者会見で「(金正恩=キム・ジョンウン=朝鮮労働党委員長は)米韓共同訓練継続の必要性や公益性について理解を示す発言をしていた」と困惑した様子も見せた。

 米CNNテレビは「トランプ政権は北朝鮮の発表に、完全に意表を突かれた」と報じた。トランプ大統領は「ニュースを通じ事態を初めて把握した」という。

 北朝鮮の非核化を目標とする史上初の米朝首脳会談について、トランプ氏はこれまで「事前交渉は非常にうまくいっている」と繰り返し、成功に自信を表明していた。米中央情報局(CIA)で朝鮮半島担当を務めた、米シンクタンク・ヘリテージ財団のブルース・クリングナー上級研究員は毎日新聞の取材に「北朝鮮は半年前の姿勢に戻った。交渉前にハードルを上げるのは同国の常とう手段だ」と指摘した。

 一方、北朝鮮から南北閣僚級会談中止の通知を受けた韓国政府も対応に追われた。「良い結果を得るための痛みだ」(大統領府の尹永燦=ユン・ヨンチャン=国民疎通首席秘書官)と解釈しつつも真意を測りかねているのが現状だ。

 韓国統一省によると、今回の南北閣僚級会談の開催について、16日に開くよう北朝鮮側が提案したのは15日午前9時すぎ。それから1日もたたない16日午前0時半に「閣僚級会談を無期限延期する」との通知文を受け取った。統一省は声明で遺憾の意を表明しつつ「北朝鮮側が朝鮮半島の平和や繁栄のために速やかに会談に応じるよう促す」とコメントした。

 ただ、北朝鮮が反発した米韓両軍の共同訓練について、韓国国防省は今後も計画通り行う方針を明らかにしている。訓練の性格については「操縦士の技量向上のための訓練で攻撃訓練ではない」として、北朝鮮が指摘するような「軍事的挑発」にはあたらないとの立場を表明した。

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