戦後68年を振り返って 第19話

戦後68年を振り返って 第19話
       冷戦はいつまで続くのか

 太平洋戦争と云う熱戦が終了したあとまだ米ソの緊張が続き、これが冷戦と呼ばれ、これから朝鮮戦争、アフガニスターン戦争、ベトナム戦争などが火を噴いたがこれらが曲がりなりにも終了して、米ソ冷戦は終了したように思われました。
しかしその根は50年を経過しても枯れず,いつかは芽を出すことになります。2014年の3月のロシヤのウクライナにたいする介入はまさに冷戦が火を噴く寸前と思われます。
そして一方東方に目を向けると日露の北方領土の問題がぐずっている事も冷戦というべき事態なのです。そのはっきりした徴候を見て見ましよう
(1) 平成22年11月21日メドベージェフロシヤ国大統領は日本には無断で国後島を訪問した
(2) メドベージェフ大統領は平成22年12月24日に北方領土はすべてロシヤ領であると主張した
(3) 平成23年5月12日の新聞ではロシヤ国防相が北方領土に駐留する部隊の増強計画を近く国家指導部に提出すると云った。
国後、択捉の2島に新たに2か所の軍事拠点を構築し移動式ミサイルシステムと云う最新兵器を配備する、この北方領土の軍備強化は大統領より23年2月にジューコフ国防相に指示したとのことである。
(4)5月15日イワノフ副首相等が国後、択捉2島を訪問
(5)平成23年9月8日の読売新聞で北方領土に関連する新しい施策が決まったと報道  された、それはソ連崩壊後初めて開発建造した原子力潜水艦「ユーリー、ドルゴル―ー」(全長170m最大潜水深度450m射程8000kmの弾道ミサイルSLBM[ブラバ」を搭載する。
これを年内に太平洋艦隊(司令部ウラジオストック)に配備し、この1号艦の母港はカムチャッカのビリュチンスクになる予定とのこと。
するとアメリカ本土を射程に収める戦略原潜は既存の「デルタ3型」4隻とあわせて5隻となり、注目されるのは新原潜の配備でオホーツク海の戦略的重要性が高まり北方領土の重要性が増すと指摘する米国の研究機関があるとしている。
(ここで筆者が思い出すのは択捉島のひとかっぷ湾は以前北洋漁業の根拠地であり 連合艦隊の集結地であったこと、昭和16年11月26日に戦艦、空母等27隻 が、昭和17年5月末にはミッドウェイに向かう戦艦等83隻が集結した良湾である事である。ここをロシヤが使用することになれば、ロシヤの極東海軍の大きな威力になる事を恐れるのです。)
以上のロシヤ側の行動は明らかに日本とアメリカに対する戦闘準備としか考えられませんがこれらは日本の政治の弱体化に乗じて起こされたと見られます。

しかし強力な政府態勢が整った現在、上に見たようなロシヤの行動の根を断たなければなりませんがそれは北方領土の日本主権をロシヤに認めさせる事に尽きます。
 このことは既に何度も見たように1855年2月7日の日露通好条約の通り
 「第2条 今より後日本国とロシヤ国の境は「エトロフ」島と「ウルップ」島との間にあるべし、「エトロフ」全島は日本に属し「ウルップ」全島、それより北の方「クリル」
  諸島はロシヤに属す(以下略)」
と規定されており、この境界についてはその後何等変更されていない。
またサンフランシスコにおける1951年9月7日の講和会議における日本代表吉田首相の説明では[日本開国当時、千島南部の二島、択捉、国後両島が日本領であることについては帝政ロシヤも何等の異議を挿まなかったのであります」と述べている。
 この明らかな日本領土である択捉島にロシヤ軍は1945年8月28日、太平洋戦争が終わって2週間後に、国後島には更に3日後の9月1日に侵入して不法占拠した。
これは太平洋戦争とは別個の戦争と云う他は無い。
 スターリン史観ではロシヤの第2次世界大戦への参戦、日本との中立条約の有る中での参戦をヤルタ会談での英米首脳の合意があったと云うが、この会談はソ連の行為を認める権限の有る会議では無いし、日本は全く知らない会議、連合国だけの会談であり、これをもって中立条約をやぶる根拠にはならない。
またこの参戦を連合国人民を惨禍から救う聖戦と云うが、それを云うならば古今の戦争はすべて聖戦となる、北方領土侵攻の根拠にはならない。

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ところで冒頭に掲げた(1)から(5)の北方領土におけるロシヤの行為は我々が問題としている北方領土の主権の確認からは遥かに先に進んでしまっている。それは日米の安全にまで及んでいるのである。それならば日米安保条約に則って協議するべき段階にきていると思うのである。
 ところで日露を取り巻く世界の情勢を見て見よう、昨年3月よりロシヤの隣国ウクライナへの介入が世界の注視の的になっている。ここは北方領土問題解決の一つの機会と考えることができる。
 世界の東西で問題を抱えている、プーチン氏が取り得る手段は東にある、日本との交渉に於いてスターリン史観を脱却しゲンナジー、ブルブリス氏の意見・・北方領土の返還がロシヤの国益に資する・・を採用することが現在東方で膠着している問題解決と日露平和条約締結の早道である。
そうすれば日本は既に主権を放棄した樺太南部と近辺諸島、千島列島のウルップ島以北18島のロシヤの領有を認め世界地図にロシヤ領の色が付けられる事になります
 両肩に荷物を負ったプーチン氏に一肩おろして楽にしませんかと安倍首相から話してみるのはいかがでしようか。
        (第19話終わり    2015,5,6 久保田 英三)

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